Khronos Group News Archives

Khronos Group、OpenGL 4.0を発表

(Khronos Group発表ニュースリリースの抄訳)

Khronos Group、OpenGL 4.0を発表

テセレーション、高品質を実現する倍精度、パフォーマンス及びフレキシブルな拡張機能を提供するオープン・スタンダードAPIの最新バージョン

2010年3月12日(米国時間3月11日) - 米サンフランシスコ、GDC 2010 - オープンでロイヤリティ無料の業界標準API仕様の策定と開発支援を行うKhronos™ Group (クロノス・グループ、以下: クロノス)は、パーソナル・コンピュータ及びワークステーションといったデスクトップ・クロスプラットフォームに対応し、業界で最も幅広く採用されているロイヤリティ無料の2D/3DグラフィックスAPI「OpenGL®」の最新バージョン「OpenGL 4.0」を発表しました。OpenGLの継続的かつ迅速なバージョンアップは、グラフィックス・デベロッパに、幅広いOS及びプラットフォーム上で最先端のGPU機能を容易に活用可能とするものです。OpenGL 4.0の仕様は、クロノスのWebサイトからダウンロード入手いただけます(http://www.opengl.org/registry)。

クロノスのOpenGL ARB(Architecture Review Board)ワーキング・グループによって仕様策定されたOpenGL 4.0には、デベロッパに最高レベルのグラフィックス品質や処理性能、プログラムのフレキシビリティをサポートする最新のGPUアクセラレーションを利用可能とする、OpenGL シェーディング言語「GLSL 4.0」が含まれます。OpenGL 4.0は、強力なコンピューティング性能を必要とするビジュアル・アプリケーション向けのOpenCLに対応した、クロス・インターオペラビリティの改善がなされています。OpenGL 4.0は、OpenGL 3.2ではじめてサポートしたCore及びCompatibilityプロファイルをサポートするほか、デベロッパが市場のニーズに応じて最新のAPIの使用または、従来のOpenGLコードのために下位互換性の保持をサポートします。

OpenGL 4.0の主な機能は次のとおりです。

  • GPUにCPUからのオフロードのジオメトリ・テセレーションを可能とする、二つの新シェーダー・ステージ
  • 増大するレンダリング品質やアンチ・エイリアスのフレキシビリティに対応する、サンプルごとのフラグメント・シェーダー及びプログラム可能なフラグメント・シェーダー入力
  • CPUが関与せずに、OpenGLまたはOpenCLといったほかのAPIによって生成されたデータの描画
  • 増大するプログラミングのフレキシビリティに対応するシェーダー・サブルーチン
  • 「サンプル・オブジェクト」と呼ばれる新オブジェクト・コードの追加による、テクスチャの状態とデータの分離
  • 増大するレンダリングの精度及び品質に応える、64ビット倍精度浮動小数点シェーダー演算、入出力
  • インスタンス・ジオメトリ・シェーダー、インスタンス・アレイ及び新タイマー・クエリーを含む性能の改善

クロノスは、OpenGL 4.0と同時にアプリケーション・デベロッパに最大限のフレキシビリティと、プラットフォームへの対応を提供するため、既存バージョンのGPUハードウェア上でOpenGL 4.0機能を最大限サポートするARBエクステンション「OpenGL 3.3」を発表しました。OpenGL 3.3の仕様は、クロノスのWebサイトからダウンロード入手いただけます(http://www.opengl.org/registry)。

OpenGL 4.0の発表について、AMDのデザイン・エンジニアリング担当バイス・プレジデントを務めるBen Bar-Haim氏はこうコメントしています。「AMDはOpenGL ARBにとって、OpenGL 4.0の発表は極めて重要な決定事項だと思います。AMDは、クロノスのワーキング・グループでの活動を通して、OpenGLやOpenCLといったオープンな標準APIの健全な開発、発展、成功が継続するよう、クロノスを支援します。」

クロノス・グループのプレジデントであり、NVIDIAのバイス・プレジデントを務めるNeil Trevettはこうコメントしています。「ARBのスケジュールに基づいて発表されたOpenGL 4.0は、デベロッパに完全な下位互換性を保持したまま、マルチプラットフォーム場で最先端のGPU機能を活用可能とする重大な発表です。OpenGLは、高性能かつ高度にプログラミング可能なグラフィックスを、モバイル・プラットフォームやWebにもたらすOpenGL ES及びWebGLに革新をもたらすと同時に、アプリケーション・デベロッパに対するシームレスなビジュアル/コンピュート・プラットフォームを作るOpenCLのインターオペラビリティの先導役として、クロノスのAPIエコシステムにおける中心的な役割を果たし続けます。」

OpenGLについて
OpenGL®は、デスクトップ2D/3Dグラフィックスに業界内でもっとも幅広く採用されているAPIで、ウィンドウ・システム、OSに依存することはなく、またネットワーク・トランスペアレントであり、さまざまなプラットフォーム向けアプリケーションの開発に貢献します。OpenGLは、PCソフトウェア、ワークステーション、スーパーコンピューティング・ハードウェアのデベロッパが、CAD、コンテンツ制作、エネルギー、エンターテイメント、ゲーム開発、製造、医療およびバーチャルリアルティといった市場向けに高性能グラフィックス・ソフトウェア・アプリケーションの制作を可能とします。

###

Khronos Groupについて
The Khronos™ Groupは、会員企業の会費によって運営されるコンソーシアムで、さまざまなプラットフォームやデバイス上で、ダイナミックなメディア・オーサリング/プレーバックを可能とする、ハードウェア/ソフトウェア製品市場の成長のため、OpenGL®、OpenGL ES™、WebGL™、EGL™、OpenCL™、OpenMAX™、OpenVG™、OpenSL ES™、OpenKODE™、COLLADA™といった、オープンでロイヤリティ無料の業界標準API開発の支援を行っています。会員企業はKhronos API仕様開発に参画できるほか、一般公開前のさまざまな段階での投票、仕様ドラフトや順応テスト向けのアーリーアクセスを通して、最先端3Dグラフィックス・プラットフォームやアプリケーションの提供を推進可能です。最新情報はWebサイトで公開されています( www.khronos.org )。

Khronos, OpenKODE, WebGL, OpenVG, OpenSL ES and OpenMAX are trademarks of the Khronos Group Inc.  OpenCL is a trademark of Apple Inc., COLLADA is a trademark of Sony Computer Entertainment Inc. and OpenGL is a registered trademark and the OpenGL ES and OpenGL SC logos are trademarks of Silicon Graphics International used under license by Khronos.  All other product names, trademarks, and/or company names are used solely for identification and belong to their respective owners.

お問合せ先
クロノス・グループ 日本事務所
Email: khronos@miacis.com www.khronos.org www.khronos.jp

詳しく