クロノス・グループとAu-Zone Technologies、NNEF向けオープンソースTensorFlowとCaffe2コンバータを共同開発

業界を代表するハードウェア/ソフトウェア企業から構成される、オープン・コンソーシアムのクロノス・グループは(以下、クロノス)は、Au-Zone Technologiesと連携して、NNEF™(Neural Network Exchange Format)ファイルを、主要な機械学習トレーニングフレームワークで簡単に利用できるようにする取り組みを行っていると発表しました。NNEFによって、多様なデバイスやプラットフォームのハードウェア推論エンジンに、トレーニング済みのニューラルネットワークを最適化して取り込むことが可能になります。Au-Zoneは、クロノスのNNEFワーキング・グループと共同で、2つの専用双方向コンバータをTensorFlowとNNEF間、またCaffe2とNNEF間に実装しています。いずれのコンバータも、2018年第3四半期に、Apache 2.0ライセンスの下でオープンソースプロジェクトとして発表される予定です

Au-Zoneでプレジデントを務めるBrad Scott氏は、次のように述べています。「当社は、クロノス・グループと連携してNNEFコンバータプロジェクトに取り組み、コミュニティに貢献できる機会が得られることを、大変喜んでいます。NNEFコンバータをオープンソースプロジェクトとして提供することで、導入が促進され、協力者も増え、CNNモデルのポータビリティが大きく向上すると考えられます。またお客様のニーズに応えるために、DeepView MLツールキットにNNEFのインポート/エクスポート機能を追加します。それによって開発者は、好みのトレーニングフレームワークを利用して、x86およびCortex-AベースのCPU、Cortex-M MCU、OpenCL™がサポートされたGPU、独自のNNコンピューティングエンジンなどの多様な組み込みプロセッサにトレーニングモデルを直接導入し、プロファイリングと最適化を行うことが可能です」

NNEFワーキング・グループでチェアを務めるPeter McGuinness氏は、次のようにコメントしています。「クロノスのNNEFワーキング・グループは、Au-Zoneと緊密に連携できることを喜んでいます。主要な機械学習トレーニングフレームワークについてNNEFエクスポータを拡大することで、組み込み推論エンジン向けのニューラルネットワークのトレーニングについて、選択肢が広がります。これはすべて、機械学習導入の断片化を低減するための、私たちの継続的な取り組みが実を結んだものです」

またNNEFとOpenVX™の各ワーキング・グループは、クロノスとの緊密な連携の下で、OpenVXカーネルインポート拡張機能を使用し、オープンソースのインポータを開発して、NNEFファイルの取り組みと実行を可能にしています。OpenVXニューラルネットワーク拡張機能により、OpenVXがクロスプラットフォームの推論エンジンとして動作することで、コンピュータビジョンとディープラーニング処理が1つのグラフに記述され、高度に最適化されたハードウェアアクセラレーションが実現します。さらに、最終的なNNEF 1.0仕様が本年中に発表予定であると同時に、クロノスはNNEFを取り込むオープンソースソフトウェアをAndroid NNAPI推論スタックに組み込む予定です。

Au-Zoneは、今週米サンタクララで開催される「Embedded Vision Summit 2018」のテクノロジー展示(ブース番号: 802)で、DeepView ML ツールキットとRunTime推論エンジンを使用して、組み込み対象に事前にトレーニングを実施したTensorFlowモデルを導入する方法を示す、エンドツーエンドのソリューションの展示を行っています。またクロノスは5月24日(木)午前9:00~午後5:00に、Embedded Vision Summitでニューラルネットワークと組み込みビジョンに関するワークショップを開催します。このワークショップでは、NNEFベースのニューラルネットワーク推論ワークフローに焦点を当てた、新しいカリキュラムも用意されています。NNEFとOpenVXの各ワーキング・グループの担当者とAu-Zoneが出席し、質問に答えます。ワークショップでは実践的なインタラクティブセッションを通じて、参加者がクロノスの基準を使用して現実世界のコンピュータビジョンとニューラルネットワークの問題を解決する方法を学習できます。

現在、カンファレンスの参加登録が可能であり、https://www.embedded-vision.com/summit/registerにアクセスして、Vision Technology Workshop Pass - Khronos Group(W-KRG)を選択してください。NNEF 1.0の暫定的な仕様およびドキュメントは、クロノスのWebサイトで無料提供されています。またNNEFオープンソースツールおよびプロジェクトは、クロノスNNEFツールリポジトリから入手できます。クロノス・グループの詳細については、Khronos.orgをご覧ください。

Khronos Group(クロノス・グループ)について

The Khronos Groupは、さまざまなプラットフォームやデバイス上で並列コンピューティング、グラフィックス、ビジョン、センサー・プロセッシング、ダイナミック・メディアのオーサリング及び高速化を可能とする、オープンな業界標準の仕様策定を行うコンソーシアムです。クロノスが仕様策定する業界標準にはVulkan®、OpenGL®、OpenGL®ES、OpenGL®SC、WebGL™、SPIR-V™、OpenCL™、SYCL™、OpenVX™、NNEF™、COLLADA™、OpenXR™、glTF™などがあります。クロノスの会員は各仕様の策定作業に参画し、一般公開前のさまざまな過程で仕様策定に関する投票を行うことができるほか、仕様のドラフトへのアーリーアクセスならびにコンフォーマンス・テストを通して、自身のプラットフォームやアプリケーション開発の期間短縮や機能強化に役立てることができます。詳細情報はWebサイトで公開されています(www.khronos.org/)。

Au-Zone Technologiesについて

Au-Zoneは開発用ツールのリーディングプロバイダーであり、組み込みビジョン製品の設計に使用できるIPを実現しています。Au-Zoneのアーキテクチャに依存しないソリューション(eCV SDK™およびDeepView ML™ツールキット)を使用することで、機械学習ソリューションと新しい畳み込みニューラルネットワークを迅速に開発し、広範なハードウェアプラットフォームに安全に導入することが可能になります。Au-Zoneは製品開発サービスとエンジニアリングコンサルティング活動を通じて、お客様の新たなビジョンを実現する製品の設計に伴う、開発コスト削減、プログラムのリスク低減、収益実現までの期間短縮をサポートします。当社はエコシステムパートナーとして開発用ツール、設計サービス、関連IP を提供することで、テクノロジーベンダーが市場機会を拡大し、顧客のニーズに応えられるように支援します。Au-Zoneの詳細については以下をご覧ください。

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