Vulkan - 業界が力を合わせて策定

Vulkanは、PCから携帯電話・スマートフォン、組込みプラットフォームまで、幅広い分野で使用されているGPUに、高効率でクロスプラットフォームなアクセスを提供する、新世代のグラフィックス/コンピュートAPIです。クロノスは2016年2月16日(米国時間)にVulkan 1.0を発表し、クロノスの会員企業各社はVulkan対応ドライバやSDKを同時に発表しました。Vulkanへの適応や、ユーザが自身のエンジンやアプリケーションにVulkanが相応しいものかを確認するすべての情報やツールは、Vulkanの公式Webサイトから入手いただけます。

クロノス・グループ、「glTF」の有能な進展を発表

   

オープンソースgITFバリデータとglTF 1.0.1公開、 IANAのglTF MIMEタイプ承認、複数のインポータとトランスレータを公開

業界を代表するハードウェア/ソフトウェア企業から構成されるオープン・コンソーシアムのクロノス・グループは、3Dコンテンツの送信及びローディング向けにロイヤリティで提供するglTF (GL Transmission Format)に関する重要な進展があったことを発表しました。クロノスは、2015年9月のglTF 1.0発表に続いてオープンソースglTFバリデータを公開し、業界からのインターオペラビリティ(相互運用性)強化に関するフィードバックを盛り込んだglTF 1.0.1仕様のコミュニティレビューを開始しました。また、IANAによるglTFのMIMEタイプとしての正式登録を受け、glTF規格をサポートする各種インポータやトランスレータ、ツール群の拡張を推進しています。glTFの仕様や関連活動の詳細は、クロノスのウェブサイトでご覧いただけます。

Oculus社のCTO、ジョン・カーマック氏は次のようにコメントしています。「世界は、画像、音声、動画、テキストの共通フォーマットに比肩する効率的で使いやすい3Dシーンの標準規格を長い間待ち望んでいました。オーサリング用のフォーマットではなく、必ずしも高度に最適化されたプラットフォーム依存アプリケーション用のフォーマットでもなく、インターネットとの親和性があり、さまざまなアプリケーションで直接生成及びインポートできるツールを必要としていした」

glTFはベンダーやランタイム環境に依存せず、3Dシーンおよび3Dモデルのサイズを最小化するアセット配布用フォーマットであり、WebGL™等のAPIを使ったインタラクティブ3Dアプリケーションによるランタイム処理を最適化します。glTFからは、画像におけるJPEGと同様、3Dコンテンツのツールやサービス用の共通出力フォーマットが生成されます。 フォーマットはパースが容易なJSONシーンとマテリアル記述を組み合わせたもので、バイナリジオメトリ、テクスチャ、マテリアル、アニメーションをリファレンス先としています。glTFは多様なユースケースが扱えるように拡張性を持たせてあり、すでにリリース済みの拡張セットとしては、地理空間アプリケーション向けのバイナリシーン記述や高精度レンダリング等があります。

glTF 1.0.1は、アセットのバリデーションに役立ち、堅牢かつ相互運用が可能なエコシステムが促進されるよう、仕様の特異性を絞り込んでいます。変更点としては、アクセサ、バッファー、テクニック、その他のglTFプロパティのコーナーケースに関するマイナーアップデートが含まれます。リリースされたドラフト版はコミュニティレビュー用であり、実装と業界フィードバックを済ませたのちに本番となります。glTF 1.0.1の詳細とディスカッション内容については、GitHub内のglTF 1.0.1ディスカッションプロジェクトページをご覧ください。

NVIDIA社のバイスプレジデント兼クロノス・グループのプレジデントを務め、Khronos 3D Formatsワーキンググループチェアを兼務するニール・トレべットは、次のようにコメントしています。「glTFは、3Dアセットを高速かつ効率的に多様なプラットフォームやデバイスに取り込みたいという、かつ増え続けているニーズを満たすものとして、これまでも業界から受け入れられてきました。拡張現実(AR)や仮想現実(VR)といった急成長を遂げている領域では、広く受け入れらている3Dフォーマットを基盤として活用することで、シームレスなコンテンツ配信やエンドユーザー体験が実現されることになるでしょ。」

新glTFバリデータは、glTF 1.0.1のアセットを仕様とスケマに沿って有効かどうかを解析し、有効でなければ何が原因かを教えてくれる、オープンソースのクロスプラットフォーム型ツールです。すべてのgITFアセットの構築が正しくできているかの検証に使えるため、ツールとアプリケーション間のインターオペラビリティには決定的に重要となります。glTFバリデータは、現時点ではコマンドラインおよびドラッグアンドドロップ型バリデータのウェブフロントエンド用ツールとしてリリースされており、クライアントサイドのJavaScriptライブラリも近々にリリースする予定です。ソースコードと詳細情報については、GitHub内のglTF バリデータページで公開されています。

「MIMEタイプ」はファイルに含まれる情報種別の特定に使われます。クロノスがglTFをMIMEタイプとしてInternet Assigned Numbers Authority(IANA、アイアナ)による正式登録を受けたことは、glTFファイルが多様な市場やエコシステム全体を通じて信頼性の高い正式なファイルとして判定・認識されることを担保する、意義深い前進です。これまでに正式登録されているMIMEタイプには、画像のjpeg、音声のmpeg、動画のmp4があります。最新モデルのMIMEタイプであるgltf+jsonにより、3Dはようやく幅広く活用可能なコンテンツクラスとして認識されます。

glTFの仕様は、GitHubよりすでに無償で入手できる複数のコンバータおよびローダの仕様・ソースを使い、オープン形式での開発が続いています。glTFのリリース以降、以下の通り業界のサポート環境も広がりを見せています。

  • ブレンダ等のツールによるダイレクトエクスポート
  • FBX、COLLADA、OBJ、OpenStreetMap等、多様なフォーマットに対応したトランスレータ各種
  • Open Asset Import Library(Assimp)でのサポート
  • three.js、MicrosoftのBabylon.js、Cesium、X3DOM、xeoEngine、PEX、WebVR向けA-Frameフレームワーク等のエンジンへのダイレクトインポート
  • コミュニティ主導でマルコ・ハッターが開発したglTF Reference Card
  • GitHubのglTFツール関連プロジェクトページにはさらに詳しい情報があります。

glTFは、その機能強化や機能拡張の取り組みがすでに始まっています。開発中の拡張機能にはFraunhofer IGDの超大規模3D CADモデルの高機能ストリーミングや、MPEGコンソーシアムの3DGCテクノロジを用いた3Dメッシュ圧縮などが含まれています。また、今後可能性のあるコアスペック機能としては、PBR物理ベースレンダリングを施したマテリアルやモーフィングターゲットの定義、リリースを控えているWebGL 2.0規格のサポートなどがあります。GitHubのglTFプロジェクトページでは、どなたでもこれに関するディスカッションに参加できます。

仮想現実(VR)のパイオニアであり、gITF仕様の共同編集者であるトニー・パリシ氏は次のようにコメントしています。「glTFは、3Dグラフィックスの共有のためのオープンでインターオペラビリティを持たせた設計に、長年に亘って取り組んできた努力の賜物です。最初の承認からの数か月間ですでに見られたコミュニティの取り組みや業界における採用決定の数々は、場所を問わずに3Dを共有できるオープンフォーマットの将来が極めて有望であることを示していました」

Web3DSIGGRAPHカンファレンス(カリフォルニア州アナハイム、722日から28日)におけるgITF
カリフォルニア州アナハイムにて7月22日から28日にWeb3DおよびSIGGRAPHが併催されるカンファレンスでは、WebGL、gITFをはじめとしたクロノスのAPI各種に関する講演やデモが実施されます。

gITFに対する業界サポート
Adobe社シニア・プリンシパル・サイエンティスト、ステファノ・コラッツァ氏
「gITFのおかげでOpenGLを使った閲覧および加工用ツールに標準規格とウェブポータビリティが追加され、より深いデジタル体験がこれまでよりはるかに簡単に共有できるものとなります」

Augmented Reality for Enterprise Alliance(AREA)エグゼクティブディレクター、マーク・セージ氏
 「AREAからは、gITFの立ち上げに対し、クロノスに祝辞を述べたいと思います。gITFのさまざまな進展と業界の受け入れ拡大は、エンタープライズ向けエコシステムにおけるARの発展と3D業界の裾野の広がりに、さらなる意義深い前進をもたらすものです」

Box社プラットフォーム担当、ロス・マケグニー氏
「3Dコンテンツが、ライセンスを要するデスクトップ用アプリケーションから、クラウド環境に向けて開放されることで、コラボレーションのビッグチャンスが生まれます。デザイナたちは開発プロセスの早い段階で作品を共有でき、メーカ各社は開発したオブジェクトの姿をプリントする前に公開できます。また、教育関係者たちは開発した教育研修プログラムにインタラクティブな要素を組み込むことができます。これらは、gITFによる恩恵のほんの一例にすぎません。未来はすぐそこに迫っていると、肌で感じます。ハードウェアはすでに整っており、ブラウザも対応できています。あとはコンテンツのパイプライン課題を解決できさえすればよいのです。メーカやエンジン開発者たちが扱うツールに向けてインターオペラビリティを実現した標準規格が生まれたことは、極めて大きな前進です」

Cesium社プリンシパル・グラフィックス・アーキテクト、パトリック・コッツィ氏
「glTFは、各種のスマートシティ向けアプリケーションからフライトシミュレータに至るまで、ウェブ上での3D地理空間表示の基盤技術に成長しました。また、 巨大容量モデルのストリーミングに関しては、3Dタイルマップのコアコンポーネントとなっています」

Fraunhofer IGD Visual Computing System Technologiesのコンピテンスセンター長、ヨハネス・ベア氏
「最新のグラフィックスカードの演算性能と近似精度の向上により、PBR物理ベースレンダリングがリアルタイム・グラフィックスの熱狂的トレンドとなっています。これを受け、Fraunhofer IGDの研究者はglTFを用いて、この新たなトレンドをウェブに持ち込もうとしています。PBRの主たる目的は、現実の物理法則に従うことで、マテリアル各種があらゆる光源条件においても膨大なパラメータリストや設定条件を変更することなく、高精度かつ一貫性を維持して表示できるようにすることです。glTFはこの新種のウェブ技術を搭載するためのコンテナの役割を果たします。」

Microsoft社プリンシパル・プログラム・マネージャーでbabylon.jsの著者、デビッド・カチューヒ氏
「babylon.jsのコミュニティにも、gITFの大潮流が来ています。ユーザーニーズに確実に応えるため、われわれのgITFローダの継続的改善の手を止めていないのはこれがあるからです」

OTOY社創設者兼CEO、ジュール・ウルバッハ氏
「われわれOTOYは、JPEGが画像の世界でそうであったように、gITFがコンパクトで効率的な3Dメッシュ送受信の業界標準になると確信しています。それに向け、gITFはオープンシェーダー言語とともにORBXシーン交換フォーマットのコアコンポーネントとなり、当社のOctaneRenderを用いた24種以上のコンテンツ作成ツールやゲームエンジンで完全対応することになるでしょう」

Khronos Groupについて
The Khronos Groupは、さまざまなプラットフォームやデバイス上で並列コンピューティング、グラフィックス、ビジョン、センサー・プロセッシング、ダイナミック・メディアのオーサリング及び高速化を可能とする、オープンな業界標準の仕様策定を行うコンソーシアムです。クロノスが仕様策定する業界標準にはVulkan™, OpenGL®, OpenGL® ES, WebGL™, OpenCL™, SPIR™, SPIR-V™, SYCL™, WebCL™, OpenVX™, EGL™, COLLADA™, glTF™があります。クロノスの会員は各仕様の策定作業に参画し、一般公開前のさまざまな過程で仕様策定に関する投票を行うことができるほか、仕様のドラフトへのアーリーアクセスならびにコンフォーマンス・テストを通して、自身のプラットフォームやアプリケーション開発の期間短縮や機能強化に役立てることができます。詳細情報はWebサイトで公開されています(www.khronos.org)。

###

Khronos, Vulkan, DevU, SPIR, SPIR-V, SYCL, WebGL, WebCL, COLLADA, OpenKODE, OpenVG, OpenVX, EGL, glTF, OpenKCAM, StreamInput, OpenWF, OpenSL ES and OpenMAX are trademarks of the Khronos Group Inc.  ASTC is a trademark of ARM Holdings PLC, OpenCL is a trademark of Apple Inc. and OpenGL is a registered trademark and the OpenGL ES and OpenGL SC logos are trademarks of Silicon Graphics International used under license by Khronos.  All other product names, trademarks, and/or company names are used solely for identification and belong to their respective owners.

メディアの方のお問い合わせ先
ミアキス・アソシエイツ 河西(かさい)
.(JavaScript must be enabled to view this email address)

記事掲載時のご掲載
クロノス・グループ
www.khronos.org

   詳しく

クロノス、CEDEC 2016で講演決定

   ニール・トレベットはじめクロノス会員企業がVulkanを紹介 クロノス・グループはCEDEC 2016(8月25日、10:00〜11:00、R502)において、「次世代グラフィックスAPI「Vulkan™」: 開発背景と機能ご紹介」と題したセッションを行います。    詳しく

クロノス・グループ、「OpenVX 1.1」を発表

   (クロノス・グループ発表プレスリリースの抄訳)

プレスリリース

2016年5月9日

クロノス・グループ、「OpenVX 1.1」を発表

処理機能の拡張、データのアクセス・処理の柔軟性強化、コンフォーマンス・テスト完全版の完成、セーフティ・クリティカル仕様等を盛り込んだ開発

業界を代表するハードウェア/ソフトウェア企業から構成されるオープン・コンソーシアムのクロノス・グループ(以下: クロノス)は、コンピュータ・ビジョンのアプリケーションおよびライブラリのクロスプラットフォーム・アクセラレーション向けAPI「OpenVX 1.1」を発表しました。OpenVXは、顔・体・ジェスチャのトラッキングや高度な映像監視、自動運転支援システム、拡張現実、目視検査、ロボティクスなど、あらゆる用途に向けたコンピュータ・ビジョン・アルゴリズムの性能と消費電力の最適化を可能にします。OpenVX 1.0準拠の実装およびツールは、すでにAMD、Imagination、Intel、NVIDIA、Synopsis、VeriSiliconの各社から提供されています。OpenVX 1.1はこの流れを踏襲し、 「Computational Photography(コンピュータ・ビジョン、CG、写真技術を一体化した新時代のデジタル写真)」などの用途向けに新たな処理機能が追加され、データのアクセスと処理に対するアプリケーション側による制御が強化されています。オープンソース形式のOpenVX 1.1サンプル実装とコンフォーマンス・テスト完全版は、2016年上半期に公開する予定です。OpenVX仕様の詳細およびアダプター会員用プログラムは、www.khronos.org/openvxから入手いただけます。

Embedded Vision Alliance創設者のジェフ・ビール氏は、次のようにコメントしています。「コンピュータ・ビジョン搭載製品がますます増える中、OpenVXはデベロッパがより簡単に高性能・低消費電力のビジョン処理を活用できるように対応しました。これにより、デベロッパ今までのようにプロセッサのプロである必要がなくなるほか、デバイスやアプリケーションへの高度な視覚技術搭載の普及を支援します。」

OpenVXとコンフォーマンス・テストは、ベンダー間の一貫性と信頼性が欠かせない本番システムへの搭載に最適です。また、OpenVXは拡張も容易であり、仕様中枢部への統合の前段階で、顧客ニーズ対応のためのノード設定が可能です。 OpenVX 1.1は、ビジョン処理機能およびOpenVX上のグラフィックス・フレームワークの範囲と柔軟性を、下記のように大幅に拡張したものとなっています。

Computational Photography用途に対応するラプラシアンピラミッドの定義と処理

(1)任意パターンも可能なMedian、Erode、Dilateの各イメージフィルタ (2)簡素かつエラーを減らすOpenVXオブジェクトへのデータリード・ライト方法 (3)Target機能により、ヘテロジニアス実装デバイスのどのノードでアクセラレータを実行するかを制御 (4)ユーザ側のカーネルを用いたOpenVX拡張用に、今までより使い勝手が良く柔軟性の高いAPIを用意 (5)これら以外にもインフラ機能とビジョンノードを数々改善・明確化

Itseez社のプレジデントで、OpenVXワーキング・グループのチェアを務めるビクトール・エルキモフ氏は、次のようにコメントしています。「今回発表した新仕様は、コンピュータ・ビジョン・アルゴリズムを実行する組込みプラットフォームに、OpenVXを普及させるための重要な発表です。新たに加わったビジョン機能により、今までにない用途が実現し、インフラとつなぐAPIが洗練されたことで、デベロッパが高度なコンピュータ・ビジョン・アプリケーションを作成する際の柔軟性が広がります。」

OpenVX 1.1について
OpenVXは、OpenCL等の一般的な演算処理方式に比べ、ビジョン処理の実行とメモリモデルをより高位なレベルで抽象化したものです。アプリケーション開発のための一貫性のあるビジョン・アクセラレーションAPIと、性能のポータビリティを損なうことなく、幅広いアーキテクチャへの実装の飛躍的な先進性と効率性を実現しました。OpenVXを使うデベロッパは、ビジョン各ノードのグラフィックスの接続について、CPU/GPU/DSPあるいは専用ハードウェアでの高速化、コンパイラの最適化、ノードのコアレス化、タイル実行による処理済み画像のローカルメモリ内部でのセクション維持等、実装者が幅広いテクニックを使って実行・最適化できます。こうしたアーキテクチャ上のアジリティにより、多様なシステムで実行される、ビジョン対応かつバッテリーに極度に左右されるウェアラブル端末ディスプレイといった、OpenVX対応アプリケーションの消費電力と性能の最適な調整が可能となります。

セーフティ・クリティカル規格の今後
先進運転支援システム(ADAS)や自動運転車、医療やプロセス制御用アプリケーションなど、新たに創出される多くのセーフティ・クリティカルの市場機会において、ビジョン処理はより必須な要素と考えられます。クロノスのOpenVXワーキング・グループは、高信頼性が求められるこれらの市場の独特で厳しい要件に対応するため、OpenVXのセーフティ・クリティカル版も開発しています。また、Safety Criticalワーキング・グループは、先進的グラフィックスのプログラマブル・シェーダ・エンジンを、高い信頼性で使うためのOpenGL SC 2.0搭載実績をさらに高めるのみならず、セーフティ・クリティカル・システムに向けたオープン技術開発を支援するため、クロスAPIガイドラインの策定にも取り組んでいます。関心をお持ちの企業はぜひクロノスに参画いただき、一連の開発プロセスに意見や投票という形で参加してください。

OpenVX 1.1に対する業界サポート
AMD社Radeon Technologies Groupで上席副社長兼チーフアーキテクトを務めるラジャ・コーデュリ氏 「AMDはOpenVXをオープン・リソースとしてリリースし、全面的に対応しています。当社は、コンピュータ・ビジョンのデベロッパが組込みAPUからハイエンドのワークステーションGPUに至るまで、すべてのPCプラットフォーム上でOpenVXを活用できるようにしていますし、完全なオープンソースとすることで、AMD GCNアーキテクチャを使った他のプラットフォームにもOpenVXをデベロッパが簡単にポーティングできるようにしています。」

Imagination Technologies社で事業開発ディレクタを務めるクリス・ロングスタッフ氏: 「OpenVXは、ビジョン・アプリケーションの作成と採用を加速する重要な起点となり、自動車やFA(ファクトリー・オートメーション)等のセーフティ・クリティカル領域でのビジョン・アプリケーションへのアクセスが、今までよりも簡単になります。当社はPowerVR GPUおよびビジョン用IPのラインアップ全般でOpenVXに対応しており、OpenVX SCの仕様開発や『計算知能型ニューラルネットワーク』等の重要な新機能の搭載にも対応しています。これらのプロセッサはすでにモバイル、車載、組込み系各デバイスの多くで心臓部として使われており、ビジョン・アプリケーションの開発に最適なプラットフォームを提供しています。」

Mobica社でCTOを務めるジム・キャロル氏 「ビジョン処理は、さまざまな実用アプリケーションにおいてその重要性が増しています。これは先進運転支援システムやジェスチャ認識にとって、ユーザとのインタラクションを司る基盤技術です。当社は、こうしたアプリケーションの開発とOpenVX 1.1の高速化技術の実現に積極的に取り組んでいます。それが、次世代演算デバイスの多くの側面で基盤技術になると考えているからです。」

NVIDIA社でTegra担当副社長兼ゼネラル・マネージャを務めるディープー・タッラ氏 「OpenVXは、Jetson組込みプラットフォーム上のVisionWorks SDKの重要コンポーネントのひとつです。VisionWorksを使うことで、デベロッパは開発するアプリケーションに効率の高いGPUベースのビジョン・アクセラレーションを短期間で設定することができます。」

VeriSilicon社でVision Image Products担当副社長を務めるシャンハン・リン氏 「OpenVX規格を早くから取り入れてきた企業の一社として、クロノスが今回大きなマイルストーンを達成されたことを歓迎します。お客様は、当社のVIP(Vision Image Processor)ラインアップのOpenVX準拠ソリューションを積極的に採用しており、車載、映像監視、IoTの各用途に向けた半導体製品に組み込んでいます。OpenVXによって、ナチュラルUIやオールウェイズ・オン型カメラ、運転支援システムといったコンピュータ・ビジョン・アプリケーションのマスマーケットでの採用が加速しています。OpenVX 1.1は、ビジョン処理とComputational Photographyにさらに柔軟に対応するための大きな一歩です。当社のVIP製品がOpenVX規格に対応することで、モバイル、ホーム、車載、組込みの各種プラットフォームでの画期的なビジョン処理用途に向け、電力・性能・面積が最適化されたアーキテクチャとなったことを誇りに感じています。」

Khronos Groupについて
The Khronos Groupは、さまざまなプラットフォームやデバイス上で並列コンピューティング、グラフィックス、ビジョン、センサー・プロセッシング、ダイナミック・メディアのオーサリング及び高速化を可能とする、オープンな業界標準の仕様策定を行うコンソーシアムです。クロノスが仕様策定する業界標準にはVulkan, OpenGL, OpenGL ES, WebGL, OpenCL, SPIR, SPIR-V, SYCL, WebCL, OpenVX, EGL, COLLADA, glTFがあります。クロノスの会員は各仕様の策定作業に参画し、一般公開前のさまざまな過程で仕様策定に関する投票を行うことができるほか、仕様のドラフトへのアーリーアクセスならびにコンフォーマンス・テストを通して、自身のプラットフォームやアプリケーション開発の期間短縮や機能強化に役立てることができます。詳細情報はWebサイトで公開されています(www.khronos.org)。

###

Khronos, Vulkan, DevU, SPIR, SPIR-V, SYCL, WebGL, WebCL, COLLADA, OpenKODE, OpenVG, OpenVX, EGL, glTF, OpenKCAM, StreamInput, OpenWF, OpenSL ES and OpenMAX are trademarks of the Khronos Group Inc. ASTC is a trademark of ARM Holdings PLC, OpenCL is a trademark of Apple Inc. and OpenGL is a registered trademark and the OpenGL ES and OpenGL SC logos are trademarks of Silicon Graphics International used under license by Khronos. All other product names, trademarks, and/or company names are used solely for identification and belong to their respective owners.   詳しく

クロノス・グループ、並列プログラム向けにOpenCL C++カーネル言語を用いた OpenCL 2.2暫定仕様を発表

   

OpenCL C++の補完・対応となるSYCL 2.2およびSPIR-V 1.1の暫定仕様を同時発表

業界を代表するハードウェア/ソフトウェア企業から構成される、オープン・コンソーシアムのクロノス・グループ(以下: クロノス)は、OpenCL™ 2.2, SYCL™ 2.2およびSPIR-V™ 1.1の暫定仕様を直ちに利用できるように公開したと発表しました。並列プログラミングの生産性の飛躍的な向上のため、OpenCL 2.2にはOpenCL C++言語によるカーネルが組み込まれています。SYCL 2.2は、OpenCL C++の有用性の最大限の活用と、ホストおよびデバイスのプログラムコードの単一ソースファイル収容を両立させています。また、SPIR-V 1.1はクロノスの定義による中間表現を拡張し、OpenCL C++カーネル言語の完全対応のためにシェーダ機能および演算処理カーネル機能をネイティブでサポートします。これらの最新仕様は、Khronos Forum(https://forums.khronos.org/)経由をはじめ、仕様の正式確定前にデベロッパ会員およびインプリメンター会員がフィードバックを投稿できるよう、http://www.khronos.orgにて暫定形式でリリースしています。

クロノスの代表で、OpenCLワーキング・グループのチェアを務めるニール・トレべットは、次のようにコメントしています。「並列プログラミングの生産性を高めるため、クロノスは本日OpenCL C++カーネル言語をクロノス定義の中間言語に対応させるSPIR-V 1.1とOpenCL 2.2の同時発表に加えて、OpenCL 2.2を活用しシングルソースC++プログラミングを実現するSYCL 2.2を発表しました。OpenCL 2.2は、デベロッパからの要望が最も高かったOpenCL C++カーネル言語をコアに取り入れています。」

OpenCL 2.2について
OpenCL 2.2では、OpenCL C++カーネル言語をC++14標準規格の静的サブセットとして定義しています。OpenCL C++には、クラス、テンプレート、ラムダ式表現、関数多重定義等、数々のコンストラクタが含まれており、ジェネリックプログラミングおよびメタプログラミングを使った並列プログラミングの生産性を高めています。

OpenCLライブラリー関数もC++言語の利点を活用することができるようになり、アトミック、イテレータ、画像、サンプラー、パイプ、デバイスキューの組込み型とアドレス空間等の機能が使えるほか、安全性の向上と未定義動作の削減も同時に実現しています。パイプストレージは、OpenCL 2.2で採用されたデバイスサイドの型で、コンパイル時に接続のサイズと型を既知とすることでカーネル間の効率的なデバイススコープ通信が可能となり、FPGAの実装に有用となります。

また、OpenCL 2.2には生成コードの最適化を向上させる機能も含まれています。特化定数の値をSPIR-Vコンパイル時にアプリケーション側から指定、 新規のクエリーによってプログラムスコープグローバルオブジェクトの非自明なコンストラクタおよびデストラクタを検知、ユーザーコールバックのプログラムリリース時での設定等が可能です。

SYCL 2.2について
SYCL 2.2は、OpenCL 2.2の機能の活用と、ホストおよびデバイスのプログラムコードの単一ソースファイル収容を両立させました。SYCLは、最小のOpenCL 1.2対応組込みデバイスから、最先端のOpenCL 2.2アクセラレータに至る、あらゆる演算デバイスの可能性を広げるC++テンプレートライブラリを、デベロッパが独自あるいは非標準のコードに頼らずに組めるよう、OpenCLのハードウェア機能をC++標準規格の方向性にマッチさせたものです。クロノスが主催するオープンソース型SYCL向けC++ 17並列STL(C++ 17 Parallel STL for SYCL)により、次のC++標準規格を共有仮想メモリ、ジェネリックポインタ、デバイスサイドキュー等のOpenCL 2.2機能に対応させることができます。

OpenCL C++およびSYCLが利用可能となることで、デベロッパは2種類のC++から選択を行えることになります。デバイスサイド・カーネルのソースコードとホストコードを分離したい場合には、C++カーネル言語が最適な選択となります。これが現在OpenCL Cで用いられている手法であり、グラフィックスソフトウェアのシェーダに幅広く採用されている手法です。SYCL、OpenMP、 C++ 17 Parallel STLで採用されているもうひとつの手法が、一般的に「シングルソース」C++と呼ばれている手法です。これは、SYCLとC++カーネル言語双方の仕様を定めることで、クロノスはデベロッパに対して最大限の選択肢を提供すると同時に、プログラムコードがこれらふたつの補完的手法で簡単に共有できるよう、2種類の仕様を整理しました。

Codeplay社のCEOであり、クロノスでSYCLワーキング・グループのチェアを務めるアンドリュー・リチャーズ氏は、次のようにコメントしています。「Codeplayは、高度なヘテロジニアス・プロセッサ・ソリューションを実現するこれらの新しいオープン規格を、引き続き支持・推進していきます。モバイル、クラウド、IoT、先進運転支援システム(ADAS)等に組込まれるコンピュータビジョン高速化処理アプリケーションには、並列ソフトウェア開発プロセス全般を簡素化するクロノスの改良オープン規格が有用です。」

SPIR-V 1.1について
SPIR-V(Standard Portable Intermediate Representation)は、並列演算とグラフィックスのネイティブ表現用クロスAPI中間言語としては、はじめてのオープン規格です。SPIR-V 1.1では、コンストラクタおよびデストラクタ対応の初期化子および終了化子関数実行モード等、OpenCL 2.2で使われるOpenCL C++カーネル言語の全機能をサポートしています。また、名前付きのバリア、サブグループ実行、プログラムスコープパイプへの対応により、カーネルプログラムの表現力も向上しています。

SPIR-V 1.0においてVulkan™グラフィックス・シェーダ用に使用可能であった特化定数は、SPIR-V 1.1によってOpenCLでも使えるようになりました。この機能により、ランタイム時に特化可能なコンパイル時間設定が組込みまれ、一連のパラメータ化OpenCLカーネルプログラムを単一SPIR-Vモジュールで表現できます。その結果、デバイスプログラムの複数変数の出力や、コンパイル設定の異なるオンザフライソースからそれらの変数を再コンパイルする必要が省け、出力プログラムのサイズやアプリケーション起動時間を大幅に縮減できます。

YetiWare社の創設者でもあり、CTOでもあるAJ ・ギヨン氏は次のようにコメントしています。「OpenCL C++は、業界全体にとっても文字通りプラス・プラスな存在です。デベロッパからの有意義なフィードバックをもとに、OpenCLワーキング・グループは OpenCL C++におけるC++ のイディオムとスタイルの維持にコミットしています。このことは、性能の最大化と高品位なコーディングの両立を望むデベロッパにとって非常に重要なことであり、当社YetiWareのOpenCLトレーニングプログラムにも即刻取り入れようと考えています。」

Khronos Groupについて
The Khronos Groupは、さまざまなプラットフォームやデバイス上で並列コンピューティング、グラフィックス、ビジョン、センサー・プロセッシング、ダイナミック・メディアのオーサリング及び高速化を可能とする、オープンな業界標準の仕様策定を行うコンソーシアムです。クロノスが仕様策定する業界標準にはVulkan™, OpenGL®, OpenGL® ES, WebGL™, OpenCL™, SPIR™, SPIR-V™, SYCL™, WebCL™, OpenVX™, EGL™, COLLADA™, glTF™があります。クロノスの会員は各仕様の策定作業に参画し、一般公開前のさまざまな過程で仕様策定に関する投票を行うことができるほか、仕様のドラフトへのアーリーアクセスならびにコンフォーマンス・テストを通して、自身のプラットフォームやアプリケーション開発の期間短縮や機能強化に役立てることができます。詳細情報はWebサイトで公開されています(www.khronos.org)。

###

Khronos, Vulkan, DevU, SPIR, SPIR-V, SYCL, WebGL, WebCL, COLLADA, OpenKODE, OpenVG, OpenVX, EGL, glTF, OpenKCAM, StreamInput, OpenWF, OpenSL ES and OpenMAX are trademarks of the Khronos Group Inc. ASTC is a trademark of ARM Holdings PLC, OpenCL is a trademark of Apple Inc. and OpenGL is a registered trademark and the OpenGL ES and OpenGL SC logos are trademarks of Silicon Graphics International used under license by Khronos. All other product names, trademarks, and/or company names are used solely for identification and belong to their respective owners.

   詳しく

ニュース・アーカイブ

2016 CEDEC

Neil Trevett, president of Khronos and members will introduce Vulkan as the one of official session program of CEDEC 2016.

クロノスご紹介

Event Archives