Khronos Group、GDCにて主要APIの最新情報と新ワーキング・グループ発足を発表

プレスリリース

Vulkan®並びにWebGL™ 2.0の発表、新OpenXR™ワーキング・グループの活動開始、デベロッパ向け各種イベントを開催

業界を代表するハードウェア/ソフトウェア企業から構成される、オープン・コンソーシアムのクロノス・グループは(以下、クロノス)は、ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス(GDC)において、主要APIの最新情報ならびに、新ワーキング・グループの発足を発表しました。クロノスはGDC会期中、さまざまなイベントの主催及び参加を通じて、あらゆるデベロッパの皆さまに最新ハードウェア機能を活用できる、クロス・プラットフォーム型APIの仕様策定とその普及活動に注力する予定です。

業界で幅広く使用されるオープンな規格の連携を目的とした、コミュニティ育成を支援し続けるクロノスは、今週開催されるGDCにて以下の最新API動向を発表します。

  • 採用が進むVulkan®向け新機能を発表: 多くの支持を集め、公開から1周年を迎えたVulkan® APIは、高精細ゲームで大きな実績を築き、その影響力は増すばかりです。Vulkan®は、業界有数のゲーム・エンジンであるUnityやUnreal等で採用され、数多くのゲーム・スタジオがVulkan®仕様のゲーム・タイトルの開発を進めており、DoomやQuake、The Talos Principle、Dota 2をはじめ、多くのVulkan®対応ゲームが出荷されています。Vulkan®仕様のドライバ各種も、主要GPUメーカー各社から公開されています。クロノスは本日、仮想現実(VR)およびマルチGPU機能にクロス・プラットフォームでアクセスできるVulkan®の拡張仕様を発表しました。アップデートおよび拡張仕様の詳細は、https://www.khronos.org/blog/vulkan-releases-new-featuresをご覧ください。
  • OpenXR™の発表: 2016年12月に設立が発表されたクロノスのバーチャル・リアリティ・イニシアチブ(Khronos Virtual Reality Initiative)により、 仮想現実(VR)や拡張現実(AR)のポータブル・アプリ/端末向けのオープン仕様の策定が進められています。クロノスは本日、その標準規格の正式名称を「OpenXR™」としたことを発表しました。このイニシアチブ・グループは、VR市場でのAPI分断化回避に向けて活躍する大手企業各社から構成されていますOpenXR™に関心をお持ちの企業はぜひクロノスに参画いただき、VR業界の方向性を定める一翼を担っていただきたいと思います。詳細は、https://www.khronos.org/blog/the-openxr-working-group-is-hereをご覧ください。
  • 新3Dポータビリティ調査グループ(3D Portability Exploratory Group)参画への呼びかけ: クロノスは本日、この新グループへの参加募集を発表しました。このグループは、デベロッパの方々がVulkan®、DX12、Metalベースの各システム上で効率的実行が可能なレンダリング・コードが書ける、ネイティブAPIの仕様ご策定を目的としています。このAPIもまた、JavaScriptやWebAssembly言語との併用をポータブル向けAPI上で可能にする、次世代WebGL™の堅固な基盤となるはずです。関心をお持ちの企業はぜひクロノスに参画いただき、この取り組みに意見や投票という形でご参加ください。詳細はkhronos.org/3dportabilityでご紹介しています。
  • WebGL™ 2.0仕様の発表: WebGL™ 2.0はすでにGoogleおよびMozillaでサポートされていますが、このほどその仕様の最終版が完了し、3DのWebアプリケーションやエンジンの開発にお使いいただけるようになりました。WebGL™ 2.0は、OpenGL ES 3.0を前面に打ち出し、あらゆるデベロッパの方々がWeb開発においてデスクトップ向けOpenGL機能を活用できるようにします。さらに、クロノスではWeb上で明示的に3Dをコントロールできる新世代APIの提供を目指し、次世代WebGL™への取り組みを開始しています。WebGL™ 2.0に関する詳細は、https://www.khronos.org/blog/webgl-2.0-arrivesをご覧ください。
  • glTF™ 2.0のフィードバック最終募集: クロノスは、glTF™ 1.0を大幅に改善したglTF™ 2.0のデベロッパ・プレビュー用バージョンを公開しました。glTF™ 2.0での強化点の一例として、ポータブルで高品質な素材の物理ベースレンダリング(PBR)が導入されます。これにより、配下にある3D用APIとglTFが独立で構成できます。クロノスでは、ここ数週間で予定しているglTF™ 2.0の最終仕様策定に取り入れるべく、業界からのご意見やフィードバックをGitHub経由で募集しています。また、クロノスは本日、glTF™ 2.0からのエクスポート機能を、オープンソースの3Dオーサリングツール「Blender」に持たせるための外部資金プロジェクトについて、見積依頼を提出しました。フィードバック情報の共有方法などについては、https://www.khronos.org/blog/call-for-feedback-on-gltf-2.0でご紹介しています。

APIの最新情報以外に、GDC会期中に開催されるデベロッパ・カンファレンスや展示ブースにおいて、会員との意見交換会等、講演や交流イベントも主催します。以下に、GDCでのクロノスの講演およびイベント概要をご紹介します。各イベントの詳細スケジュールは、https://www.khronos.org/news/events/gdc-2017をご覧ください。

  • クロノスGDC展示ブース(ブース番号は、South Hall(南館)の2419): クロノス会員企業によるAPIに関するプレゼンテーション(各1時間セッション)を行ないます。会員や専門家との意見交換が可能であり、ぜひブースにお立ち寄りください。
  • VRDC 2017でのOpenXR™の解説と意見交換: 2月27日(月曜日)と28日(火曜日)の午前10時から午後6時まで、North Hall(北館)会場番号135のクロノス展示テーブルTT06にお越しください。新発表のOpenXR™に取り組む専門家との意見交換や、このほど発表された取り組みに対するデベロッパの方々からのフィードバックご紹介の機会を設けています。
  • 3Dグラフィックス・デベロッパ・デイ(3D Graphics Developer Day)にて、Vulkan®、OpenXR™、WebGL™、その他さまざまなテーマで講演: 2月28日(火曜日)の午前10時から午後6時まで、West Hall(西館)会場番号3022にて、デベロッパ向けの各枠1時間の講演を行います。
  • クロノス・ミートアップ(Khronos Meetup)開催: 3月2日(木曜日)の午後6時30分から午後9時30分まで、サンフランシスコの「Galvanize San Francisco」にて、クロノス会員やデベロッパの方々を交えたWebGL、WebVR、glTF、モバイル3Dの意見交換会と交流会を実施しますので、ぜひご参加ください。
  • GDC公式プログラムにおけるクロノス標準仕様関連の講演: クロノス会員やデベロッパが「Vulkan Lessons Learned to the Future of VR(VRの未来に向けたVulkan活用体験」と題し、さまざまなテーマで講演します。

Khronos Group(クロノス・グループ)について
The Khronos Groupは、さまざまなプラットフォームやデバイス上で並列コンピューティング、グラフィックス、ビジョン、センサー・プロセッシング、ダイナミック・メディアのオーサリング及び高速化を可能とする、オープンな業界標準の仕様策定を行うコンソーシアムです。クロノスが仕様策定する業界標準にはVulkan®、OpenGL®、OpenGL® ES、OpenGL® SC、WebGL™、SPIR-V™、OpenCL™、SYCL™、OpenVX™、NNEF™、COLLADA™、OpenXR™、glTF™などがあります。クロノスの会員は各仕様の策定作業に参画し、一般公開前のさまざまな過程で仕様策定に関する投票を行うことができるほか、仕様のドラフトへのアーリーアクセスならびにコンフォーマンス・テストを通して、自身のプラットフォームやアプリケーション開発の期間短縮や機能強化に役立てることができます。詳細情報はWebサイトで公開されています(www.khronos.org)。

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