クロノス・グループ、「glTF 2.0」を発表

プラットフォームから独立した物理ベース・レンダリングに対応する、ランタイム3Dアセット・デリバリー・フォーマットを拡張

世界有数のハードウェアおよびソフトウェア企業からなるオープンコンソーシアムのKhronos™ Group(以下、クロノス)は、Web3D 2017カンファレンスにおいて、GitHub上で評価可能な暫定仕様に対する、業界デベロッパからのフェードバックを反映させた、即時利用可能なglTF 2.0仕様を発表しました。

今回発表されたglTF 2.0は、glTF 1.0の仕様を大幅にアップグレードしたものです。glTF 1.0は、ランタイム環境に依存しないリアルタイム3Dアセット配布の標準フォーマットであり、フルシーン描画を少ない通信量と短いロード時間で実行できます。glTF 1.0ユーザーのデベロッパー・コミュニティから多数寄せられた機能性に関する要望に応え、glTF 2.0 にはポータブルかつ一貫性のあるマテリアル描画が可能な物理ベース・レンダリング(PBR)を追加しました。glTF 1.0では、マテリアルはGL/SLシェーダーで定義していましたが、WebGLとの親和性は高いものの、glTFモデルのDirect3DやMetal対応アプリケーションへのインポートが問題でした。PBRを使うことで、視覚に訴えるglTF 2.0モデルを常時任意のレンダリング用APIにポーティングできます。PBRマテリアルは、任意のレンダリング用API向けシェーダー生成が可能な少数の簡潔なパラメータで定義されます。glTF 2.0は、実装も簡単でパワフルな高品質マテリアルの提供が可能なPBRモデルを定義できるだけでなく、各種のプラットフォームやデバイスクラスの機能性に合わせられるスケーラビリティを備えています。

クロノスの代表でgITFワーキング・グループのチェアを兼務するニール・トレベットは、次のように述べています。「業界におけるツールやプレーヤー、アプリケーションでの採用の増大により、glTFの勢いは今なお拡大しています。クロノスでは今年2月にデベロッパープレビュー版のglTF 2.0を公開し、それに対するフィードバックを募集しました。それ以降、最終仕様リリースの準備に大いに役立つ多数の意見がコミュニティから寄せられました。今後は、テクスチャやジオメトリの高性能圧縮の拡張機能等、glTFの機能拡張に対する業界からの継続的参加を期待しています。glTF 2.0が、あらゆるアプリケーション領域において業界のPBRマテリアルへのシフトに貢献すると確信しています」

PBR material model in glTF 2.0
PBR material model in glTF 2.0

BabylonJS、three.js、Cesium、Sketchfab、xeogl、instant3Dhub等の3Dエンジン開発者の多くは、性能、ポータビリティ、クオリティ面のメリットを活かすべく、glTF 2.0への移行を始めています。 glTF 2.0に対しては、Adobe、Google、Marmoset、Microsoft、NVIDIA、Oculus、UX3Dをはじめ、ペンシルバニア大学やローマ・ラ・サピエンツァ大学等、数多くの企業・団体が支持を表明しています。クロノスのglTFワーキング・グループ並びにデベロッパー・コミュニティが一丸となり、ツールやサンプルコードのエコシステムを構築しました。PBRマテリアル、スキン、モーフ・ターゲットを使ったシンプルなボックスから複雑なモデルに至るまで、エンジン開発者によるglTF 2.0の実装に役立つものばかりが揃っています。また、エクスポーター開発者によるglTF 2.0モデル生成の検証や、エンジン開発者が使うglTF 2.0モデルの検証を行なえる、バリデーションツールも用意されています。

Animated glTF 2.0 model with morph targets
Animated glTF 2.0 model with morph targets

glTF 2.0の新仕様は、https://github.com/KhronosGroup/glTFにて公開しています。

glTF 2.0について

PBRマテリアル対応等も含め、glTF 2.0は陳腐化を避ける安定したベースとなるアセット・フォーマットであり、多くのグラフィックスAPIに向けた実用的なランタイム実装を支援します。一貫性やAPIに対する中立性、性能面での向上のためのアップデートが含まれ、業界によるPBRマテリアルへの移行を可能にします。

gITFに対する業界サポート

Cesium社プリンシパル・グラフィックス・アーキテクト、Patrick Cozzi氏: 「glTF 2.0は、APIに中立のPBRマテリアルおよびモーフ・ターゲットに向けた標準化へと業界を動かし、それと同時にgITFが元来目標としてきた『効率的実装が簡単に行えるシンプルなフォーマット』という約束も守っています」

フラウンホーファー協会IGD部門、InstantUVプロジェクト統括のMax Limper氏: 「glTF 2.0が可能にした表出型、ポータブル、PBR型のマテリアルのおかげで、最適化されたアセットを当協会のInstantUVソフトウェアからあらゆるレンダリング環境にエクスポートできるようになりました。」

MicrosoftWindows Experiences Group、パートナー・ソフトウェア・エンジニアのForest Gouin氏: 「glTF 2.0は、3Dのデモクラタイズという次世代クリエイティビティの解放基盤に向けた、重要なマイルストーンです。glTF 2.0の持つオープン性、インターオペラビリティ、クロスプラットフォーム性は、Microsoftが掲げる『3D for Everyone』や『Windows Mixed Reality』の取り組みにおける重要基本要素のひとつであり、3DおよびMR(複合現実感)の作成、共有、使用に関するまったく新たな方法の実現に役立つと考えます。」

Unity TechnologiesVRAR戦略部門統括でありgITF仕様の共同編集者、Tony Parisi氏: 「glTFは2D画像におけるJPEGや動画用のMPEGと同じ様に、3Dグラフィックスのアセット配布に向けた汎用フォーマットです。glTF 2.0はグラフィックスAPIやOSにはまったく依存せず、アプリケーション間やデスクトップ間、ウェブ上やモバイル端末上、VRやARにおいて、3Dグラフィックスを共有するうえでの無限の可能性を切り開くものです。」

UX3D社共同創設者、Norbert Nopper氏: 「glTF 2.0は、標準化された3Dアセットが必要とされ、当社がお客様にそのためのソリューションを提供する際に、これしかないといえるフォーマットです。」

クロノスに関する詳細情報は、khronos.orgをご参照ください。

Khronos Groupについて

The Khronos Groupは、さまざまなプラットフォームやデバイス上で並列コンピューティング、グラフィックス、ビジョン、センサー・プロセッシング、ダイナミック・メディアのオーサリング及び高速化を可能とする、オープンな業界標準の仕様策定を行うコンソーシアムです。クロノスが仕様策定する業界標準にはVulkan, OpenGL®, OpenGL® ES, WebGL™, OpenCL™, SPIR™, SPIR-V™, SYCL™, WebCL™, OpenVX™, EGL™, COLLADA™, glTF™があります。クロノスの会員は各仕様の策定作業に参画し、一般公開前のさまざまな過程で仕様策定に関する投票を行うことができるほか、仕様のドラフトへのアーリーアクセスならびにコンフォーマンス・テストを通して、自身のプラットフォームやアプリケーション開発の期間短縮や機能強化に役立てることができます。詳細情報はWebサイトで公開されています(www.khronos.org)。

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