Khronos KTX 2.0 テクスチャーを使うことで コンパクトで見た目も良いglTFの3Dアセットが実現

汎用的に配布可能な超圧縮GPUテクスチャ
オープンソースのKTX 2.0のツールとガイドをリリース

オレゴン州ビーバートン2021420本日、Khronos® グループ は、 KTX TM 2.0 が承認されたことを発表し、GPUテクスチャの信頼性とユビキタスな配布に向けて、このコンテナフォーマットでBasis Universal の超圧縮に対応が追加されます。Basis Universalは、Binomial 社によって開発された圧縮技術であり、ランタイム上でさまざまなGPU圧縮テクスチャ形式に効率的にトランスコードが可能なコンパクトなテクスチャを生成します。加えて、KhronosはKHR_texture_basisu 拡張機能をリリースし、glTFにKTX 2.0テクスチャを含めることができるようになりました。これにより、ダウンロードサイズが削減され、ネイティブに対応したテクスチャ形式を使用することでGPU上のメモリサイズが削減され、多様なデバイスやプラットフォームでのレンダリング速度も速くなり、汎用的に配布可能なglTFアセットが実現します。加えて、Khronosはオープンソースのツールとトランスコーダーをリリースしましたが、同時にglTFのエコシステム(既に対応が組み込まれているthree.js、Babylon.js、Gestaltorビューアを含む)全体でKTX 2.0テクスチャが幅広い用途で使われるようにする為に開発者とアーティスト向けのガイドラインもリリースしています。これによりglTFエコシステム全体でKTX 2.0テクスチャを広く使用できるようになります。通常、ランタイムの3Dアセットはファイルサイズ縮小したテクスチャを転送する為にJPGやPNG圧縮画像を使用していました。しかし、これらのフォーマットはGPUで直接処理することはできず、GPUメモリでフルサイズの画像に解凍する必要があり、貴重なメモリスペースと帯域幅を消費するため、レンダリングパフォーマンスが低下し、消費電力が大きくなります。これは、モバイルデバイスで特に問題になります。GPU圧縮テクスチャフォーマットにより、コンパクトなメモリ内テクスチャが可能になり、メモリアクセスが最適化されて、より高速で効率的なレンダリングが可能になります。しかしながら、GPUテクスチャフォーマットのランドスケープが高度に断片化されていると、多くのターゲットデバイスでの使用には適さない為、広く配布されたglTFアセットでGPUテクスチャフォーマットを使用することは実用的ではありません。

ですが、Binomial社のBasis Universal圧縮テクノロジーは、実行時にターゲットデバイスでネイティブに対応しているGPUフォーマットに効率的にトランスコードできる「ユニバーサル」圧縮テクスチャ形式を定義することで、この問題を解決します。Basis Universalは開発者に2つの圧縮オプションを提供します。このオプションではコンパクトなテクスチャファイルサイズの為に、RDOエンコーディングとLZベースの超圧縮を使ってKhronosで定義されたETC1およびASTC GPUテクスチャフォーマットの選択されたモードを組み合わせています。ETC1Sモードでは、送信サイズとメモリサイズをJPEGやPNGテクスチャよりもかなり小さくすることが可能です。
UASTCモードではファイルサイズを小さくしてメモリサイズも大幅に節約することが可能ながら、ETC1Sよりも高品質のテクスチャを提供します。特に法線マップに適しています。

Khronos KTXのホームページ にアクセスして新しいKTX 2.0超圧縮テクスチャの有効性をブラウザでリアルタイムに確認して下さい。

「KTX 2.0の超圧縮テクスチャは、glTFのDracoジオメトリ圧縮を補完して、美しくてコンパクトで効率的な3Dアセットをすべての人に提供します」と、Khronos 3D Formatsワーキンググループの議長でGoogleのソフトウェアエンジニアであるDon McCurdyは述べています。続けて、「Khronosの3D Formats ワーキンググループに入っている多くの企業が、この重要な技術を世界中の開発者の手に届けようと懸命に働いてくれたことに感謝したいと思います。そして、KTX 2.0汎用GPU圧縮テクスチャを可能にしたBasis Universal技術をロイヤリティフリーで貢献してくれたBinormal社には深く感謝致します。」と述べています。

KTX 2.0の市場への本格的な展開をスピーディに行う為に、KhronosはオープンソースのKTXツール のセットを作成しました。これらのツールセットはこの業界で作成されたツール も一緒に提供されており、KTXファイルの作成、検証、および検査が可能です。Khronosは、アプリケーションやエンジンにKTX 2.0テクスチャを組み込んで処理する為に、最適化されたトランスコーダー のセットもオープンソースで作成しました。さらに、glTFのワーキンググループは「アーティストと開発者向けのガイド 」を作成しました。このガイドではステップバイステップのKTXアセット作成ワークフローと、新しいKHR_texture_basisu拡張機能を効果的に使用する方法が詳しく説明されています。

Khronosは3DコミュニティがKTX 2.0を使った際に出てくるフィードバックや貢献をGitHub 経由で受け付けています。是非ご協力下さい。また、glTFとKTXの進化を管理している3D Formatsワーキンググループや、それ以外のKhronosのワーキンググループへの参加を希望する企業様はいつでも歓迎しています。

業界からの支援の声

“KTX 2.0 enables compressed textures for both transmission and runtime use across GPU vendors, enabling versatile optimizations reducing memory, bandwidth, and power usage. We are especially excited to apply this to 3D geospatial, where imagery captured via satellites and drones is creating an explosion of textures at global scale,” said Patrick Cozzi, CEO at Cesium.

“Including support for Basis Universal compression with KTX 2.0 is a great leap forward for our clients, in terms of both compression performance and runtime memory consumption - which is why we are pretty excited about this glTF extension in particular,” said Dr. Max Limper, co-chair of the Khronos 3D Commerce Asset Creation TSG and CEO at DGG.

“IKEA appreciates the fantastic functionality exposed by KTX 2.0 and Basis Universal. We are excited to see the benefits of what can be achieved thanks to the GPU memory reduction and device transcoding capabilities. Thanks to KTX 2.0 it seems that the era of widespread texture compression usage is finally here!” said Martin Enthed, Digital and IKEA Digital Lab Manager at IKEA Communications AB & Khronos Vice President

“Every millisecond counts in ecommerce. At Shopify, we are thrilled with the dramatic improvements in file transfer sizes and device optimization that KTX 2.0 brings to 3D on the web and mobile. Shopify plans to adopt this technology across the platform so that every merchant can provide customers with delay-free 3D experiences,” said Jon Wade, Sr. Product Manager 3D & AR/VR at Shopify.

“Thanks for all the great work on KTX and KTX 2.0. These formats are such a joy compared to all the formats I’ve worked with prior,” said Alec Miller, Sr. Graphics Engineer, thatgamecompany.

“This extension enhances glTF in one of its key design features: smaller asset sizes for quick transmission as well as optimal GPU usage. We are excited about this feature and are supporting it from day one in our visual glTF editor Gestaltor,” said Norbert Nopper, Managing Director at UX3D.

“3D is increasingly becoming an effective way to merchandise products in retail. At Wayfair, we strive to provide customers with true-to-life experiences using emerging visual computing technologies such as AR & VR, as well as 3D-rendered product imagery. KTX 2.0 is another step toward delivering high quality 3D virtual product experiences in an optimized way, letting developers and content creators further unlock the potential of 3D. We’re excited to contribute to such capabilities and continue this joint effort to push the industry forward,” said Shrenik Sadalgi, Chair of the 3DCommerce Working Group, and Director of R&D / Wayfair Next at Wayfair.

Khronosについて

Khronos グループは、150以上の業界をリードする企業からなるオープンな非営利のメンバー主導のコンソーシアムであり、3Dグラフィックス、AR、VR、並列プログラミング、ビジョンアクセラレーション、機械学習のための最新でロイヤリティフリーの相互運用可能な標準規格を作成しています。Khronosの活動には3D Commerce™、ANARI™、glTF™、NNEF™、OpenCL™、OpenGL®、OpenGL® ES、OpenVG™、OpenVX™、OpenXR™、SPIR-V™、SYCL™、Vulkan®、WebGL™が含まれます。Khronosのメンバーは、Khronosが制定する仕様の開発と発展を推進し、仕様のドラフトと適合性テストへの早期アクセスを通じて、最先端のプラットフォームとアプリケーションの提供を加速することができます。