クロノス・グループ、OpenVX アドプター・プログラム最新版を発表

2017年11月21日(米国時間)、世界有数のハードウェアおよびソフトウェア企業からなるオープン・コンソーシアムのKhronos™ Group(以下、クロノス)は、コンピュータ・ビジョン・アプリケーションおよびライブラリの高速化に対応する、オープンでクロス・プラットフォームなロイヤリティ・フリーのOpenVX™向けのアドプター・プログラム最新版を発表しました。新アドプター・プログラムには、OpenVX 1.2の最新のアイタレーションに関する適合性(コンフォーマンス)テストが含まれています。

Cadence Design Systemsの設計エンジニアリング・アーキテクトで、クロノスOpenVXワーキング・グループのチェアを務める、フランク・ブリル(Frank Brill)氏は、次のようにコメントしています。 「今回のOpenVX アドプター・プログラムは、コンピュータ・ビジョン・アプリケーションが増え続ける中、新しいニューラル・ネットワークやインポート/エクスポートの拡張機能を含む、OpenVX 1.2の拡張機能をテストしたいデベロッパにとって貴重なリソースとなるでしょう。OpenVX アドプター・プログラムとワーキング・グループが開発した適合性テストの強化により、2018年に最初のOpenVX 1.2準拠の実装が可能になると期待しています。」

最新のOpenVX アドプター・プログラムには、適合性テストの新バージョンと、それらのテストを実行してワーキング・グループ・レビューの結果を提出するプロセスが含まれます。これらのテストに合格すると、アダプターはOpenVXに準拠した製品に認証ラベルを使用でき、実装に関連してロイヤリティを払うことなくOpenVXの名前とロゴのライセンス使用が可能です。これによって、KhronosのIPフレームワークの保護と、クロノスのマーケティング活動の恩恵を受けることができます。クロノスのアドプター・プログラムの詳細は、こちらをご参照ください。

クロノスで代表を務めるニール・トレベット(Neil Trevett)は、次のようにコメントしています。「クロノスの適合性テストは、クロノス標準の完全性を保護するうえで非常に重要であり、Vulkan®、OpenGL®、OpenGL® ESなど、数多くの公開されたAPIとベンダー間の一貫性を保証しています。OpenVXの新アドプター・プログラムと適合性テストは、この重要な標準がさまざまなプラットフォームで一貫して採用され続けていることを保証する上で重要な役割を果たし、これによって移植可能な高度なビジョン・アプリケーションを業界全体に展開することができます。」

クロノスとOpenVXワーキング・グループは、OpenVX 1.2適合性テストの開発に関して、MulticoreWareと契約を締結しています。

OpenVX 1.2について

OpenVXは、ビジョン・アプリケーションをあらゆるシリコン・アクセラレーション・アーキテクチャ上で効率的に動作するように最適化できる、接続された操作のグラフとして表現することを可能にします。 2017年5月に発表されたOpenVX 1.2は、顔・体・ジェスチャのトラッキングや高度な映像監視、自動運転支援システム、目視検査、ロボティクス等のコンピュータ・ビジョン・アプリケーションなど、幅広い視覚アプリケーションに役立つグラフ並びにオペレータの機能を拡張しています。

特に、デベロッパはOpenVX 1.2の新しい機能検出と分類操作を利用して、オブジェクトの検出と認識を改善し、ノードの条件付き実行の拡張や、OpenVXグラフ内の式の拡張と柔軟性を強化することができます。 OpenVX 1.2は、グラフノードを使用してテンソル・オブジェクトによって接続された、さまざまなタイプの一般的なネットワークレイヤを表現することにより、ニューラルネット・ワーク・ベースの推論の低電力化を可能にするニューラル・ネットワーク拡張など、その他の重要な新機能を提供します。

OpenVXの仕様とアドプター・プログラムの詳細は、www.khronos.org/openvx をご参照ください。

Khronos Group(クロノス・グループ)について

The Khronos Groupは、さまざまなプラットフォームやデバイス上で並列コンピューティング、グラフィックス、ビジョン、センサー・プロセッシング、ダイナミック・メディアのオーサリング及び高速化を可能とする、オープンな業界標準の仕様策定を行うコンソーシアムです。クロノスが仕様策定する業界標準にはVulkan®, OpenGL®, OpenGL® ES, OpenGL® SC, WebGL™, SPIR-V™, OpenCL™, SYCL™, OpenVX™, NNEF™, COLLADA™, OpenXR™, glTF™などがあります。クロノスの会員は各仕様の策定作業に参画し、一般公開前のさまざまな過程で仕様策定に関する投票を行うことができるほか、仕様のドラフトへのアーリーアクセスならびにコンフォーマンス・テストを通して、自身のプラットフォームやアプリケーション開発の期間短縮や機能強化に役立てることができます。詳細情報はWebサイトで公開されています(www.khronos.org)。

###

Vulkan is a registered trademark of The Khronos Group. Khronos, OpenXR, DevU, SPIR, SPIR-V, SYCL, WebGL, WebCL, COLLADA, OpenKODE, OpenVG, OpenVX, EGL, glTF, OpenKCAM, StreamInput, OpenWF, OpenSL ES, NNEF and OpenMAX are trademarks of the Khronos Group Inc. OpenCL is a trademark of Apple Inc. and OpenGL is a registered trademark and the OpenGL ES and OpenGL SC logos are trademarks of Silicon Graphics International used under license by Khronos. All other product names, trademarks, and/or company names are used solely for identification and belong to their respective owners.