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Khronos Group、OpenCL 1.1を発表

 
ニュースリリース

Khronos Group、OpenCL 1.1を発表 - 同時にC++ wrapper APIを発表

2010年6月15日- オープンでロイヤリティ無料の業界標準API仕様の策定と開発の支援を行うKhronos™ Group (クロノス・グループ、以下: クロノス)は、 CPU/GPU及び他のプロセッサを搭載したクロスプラットフォームに対応した、汎用の並列プログラミング環境向けのオープンなロイヤリティ無料API仕様OpenCLの最新バージョン「OpenCL 1.1」を正式公開したと発表しました。OpenCL 1.1は、業界を代表する企業各社の協力により、バックワード・コンパチビリティを保持したパラレルコンピューティング向けの性能・機能の強化を実現します。

OpenCLのワーキンググループには、AMD, Apple, ARM, Bizzard Activision, Broadcom, Codeplay, Electronic Arts, Ericsson, Freescale, Graphic Remedy, IBM, Imagination Technologies, Intel Corporation, Kestrel Institute, Los Alamos National Laboratory, Movidia, Nokia, NVIDIA, Petapath, Presagis, Qualcomm, Renesas, S3 Graphics, Seaweed Systems, Sony, ST-Ericsson, STMicroelectronics, Symbian, Texas Instrumentsを含む、業界のリーディングカンパニー・研究機関が参加し、仕様策定と承認作業が行われました。また、クロノスはOpenCLと共に使用するC++ wrapper APIを発表し、OpenCL 1.1コンフォーマンステストと共に公開しました。OpenCL 1.1仕様の詳細は、クロノスのWebサイトをご参照ください( http://www.khronos.org/opencl/ )。

今回の発表について、クロノスのプレジデントでOpenCLワーキンググループ・チェアを務める、NVIDIA社バイスプレジデントのニール・トレベットはこうコメントしています。「OpenCL 1.0の発表以降、ヘテロジニアス並列処理のパワーを求める市場の期待や要求の高まりが、OpenCL 1.1開発に向けた業界内の協力体制を後押ししました。OpenCL 1.0から18ヵ月後に1.1が発表されたことは、プログラマにとってOpenCLコードに対する既存の投資を保持しながら、より効果的な並列コンピューティング・リソースの有効活用を可能とするものです。」

OpenCL 1.1には並列プログラミングの柔軟性を拡張するために、さまざまな新機能が追加されています。

  • 3コンポーネント・ベクター、新たに追加されたイメージフォーマットを含む新データタイプ
  • 複数ホストからのコマンド操作、複数デバイス経由のバッファ処理
  • リード/ライト、1D/2D及び3D長方形領域の複製を含むバッファ領域の操作
  • コマンド実行の駆動及び管理のための強化されたイベント使用
  • インテジャー・クランプ、シャッフル、非同期のストライドコピーといったOpenCLビルトイン機能の追加
  • OpenCL及びOpenGLイベントへのリンクによる、イメージ及びバッファの効果的な共有を通した、OpenGLインターオペラビリティの改善

クロノス・グループ各社のコメント
AMD: Fusion Experience Program担当バイスプレジデントのManju Hegde氏のコメント「OpenCL 1.1は、さまざまな業界でGPUコンピューティングに対する関心が急速に高まっている、最高の時期に発表されました。AMDはこの発表により、ソフトウェアデベロッパの成長・拡大に拍車がかかると期待しています。ベンダーにとって、マルチベンダー、マルチソース・インタフェースをはじめ、業界標準のプログラミング・モデルの取り込みが重要です。ATI Streamソフトウェア開発キットの提供を通して、業界で最もOpenCLへのサポートを行っているAMDは、2011年に発表を予定しているAMD APU Fusion製品ファミリと共に、アプリケーションの真の可能性拡大を支援していきます。」

株式会社フィックスターズ: 執行役員の浅原明広氏のコメント「昨今、通常のアプリケーションだけでなく、組み込み用途にも確実にOpenCLの需要が広がっているのを感じています。Specification 1.1 になり、OpenCLの仕様はより実践的で自由度が高くなりました。OpenCLのさらなる普及を必ずや後押ししてくれるものになるでしょう。」

ARM: 技術・システム・プロセッサ部門担当バイスプレジデントのPete Hutton氏のコメント「ARMはあらゆる製品ファミリを通してOpenCLをサポートしています。OpenCL 1.1は、OpenCLに対する業界の期待や支持をより確かなものとすると共に、ARMのパートナー企業が提供するGPU、CPU及びその他の製品を含む高性能コンピューティングシステムの進化を加速するでしょう。」

Intel: ソフトウェア/サービスグループ担当バイスプレジデント兼ヴィジュアル・コンピューティング・システム部門ゼネラルマネージャのElliot Garbus氏のコメント「インテルは、デベロッパの機会創出や革新を育成する業界標準を協力に支援しています。OpenCL 1.1仕様策定に関わる立場として、インテルはプログラミング・モデルとしてのOpenCLの進化に勇気づけられるとともに、デベロッパにより柔軟性をもたらすOpenCLとインテルプラットフォームの今後の並列処理技術の活用が待ち遠しいです。」

Graphic Remedy: CEOのAvi Shapira氏のコメント「Graphic Remedyは、OpenCL ワーキンググループの一員であることを誇りに思います。当社は、OpenCLが増大する強固なデバッグ機能とプロファイルツールに対する需要に応える、並列コンピューティング・アプリケーション制作のための、業界を代表するAPIになることを確信しています。Graphic RemedyはOpenCL Debuggerでありプロファイラ及びメモリ・アナライザであるgDEBugger CLを通してデベロッパ・コミュニティを強力に支援します。このソリューションによって、企業及び個人デベロッパは現在及び将来の並列コンピューティングの機能・性能を最大限活用できるでしょう。」

NVIDIA: GPUコンピューティング担当ゼネラルマネージャのSanford Russell氏のコメント「エンタテインメントや科学・産業の分野でコンピューティングの変換を行うためにヘテロジニアスな並列処理を使用するのは、業界のトレンドとなっています。NVIDIAは、さまざまな分野でNVIDIAのGPUをより効果的に活用いただくために、OpenCL 1.1の発表に合わせてドライバ提供や情報開示のためのWeb公開など、業界で最も多くのツールセットを用意しています。」

SIGGRAPH 2010におけるクロノスOpenCL関連イベント開催
クロノスは7月27日から29日まで、米ロサンゼルスで開催されるSIGGRAPH 2010に参加し、会員企業による各種セッションを行います。OpenCL Birds of a Feather (BOF)は、7月27日(木)の4:00pm – 6:00pmに開催されます(コンベンションセンター402A会議室)。また、クロノスはブース出展(コマ番号:1201)を行い、APIをサポートする会員企業各社の製品・技術デモンストレーションをご紹介する予定です。SIGGRAPH 2010におけるクロノス及び会員企業各社の参加・イベント情報は、こちらをご参照ください。
http://www.khronos.org/news/events/detail/siggraph-la-2010/

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Khronos Groupについて
The Khronos™ Groupは、会員企業の会費によって運営されるコンソーシアムで、さまざまなプラットフォームやデバイス上で、ダイナミックなメディア・オーサリング/プレーバックを可能とする、ハードウェア/ソフトウェア製品市場の成長のため、OpenKODE™、OpenGL® ES、OpenMAX™、OpenVG™、OpenSL ES™、OpenML™、COLLADA™といった、オープンでロイヤリティ無料の業界標準API開発の支援を行っています。会員企業数は約120社(2008年4月現在)。会員企業はKhronos API仕様開発に参画できるほか、一般公開前のさまざまな段階での投票、仕様ドラフトや順応テスト向けのアーリーアクセスを通して、最先端3Dグラフィックス・プラットフォームやアプリケーションの提供を推進可能です。最新情報はWebサイトで公開されています( www.khronos.org )。

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